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bisque
ビスクドールはビスキュイ「2度(bis)焼く(cuit)」に由来した名称で、2度(素焼きと本焼き)焼く過程を経て作る御人形の事を指します。
特徴として磁器特有の透明感のある肌触りと長所として変色しないといった点があります。(短所は磁器なので衝撃に弱いです)
陶芸の焼き物と同じく陶芸窯で異なる温度で2回(素焼き約700度と本焼き約1220度)焼いて作ります。
焼くと最終的に85%程度縮んでしまうのでその分を上乗せして設計図を書きます。
この設計図を基に石粉粘土などで原型を制作します。


原型が完成したら石膏で型取りをします。
油粘土の上に原型をのせ、周りを木の板で囲んで固定します。


石膏(粉)を水で溶き、原型の上に流し込み固まるまで待ちます。


石膏が固まったら木の板を外します。


固まった石膏を横から見たところです。
灰色の部分は油粘土です


油粘土を取り外します。


下にした石膏の上に離型剤(ワックス)を塗ります。
ワックスを塗ることで、この上にさらに流し込む石膏と先に固まっている石膏同士がくっつかないようにします。


もう一度木の板で周りを囲んで固定し、水で溶いた石膏の粉を流し込んで固めます。


これで原型は完全に覆われました。


石膏が固まったら木の板を外します。


原型を中から取り出します。
完成した石膏の型(左右)は水分を含んでいるので再び一つにあわせて充分に乾燥させます。


乾燥した石膏の型を開き中をブラシなどで綺麗にします。


乾燥した石膏の型を準備し、体の各パーツの制作に入ります。
上の2つの容器には液状の磁器粘土が入っておりこれを石膏の型の中に流し込みます。


石膏の型の中に流し込む前に容器の中の磁器粘土を手前のハンドミキサーでかき混ぜます。


容器の中の液状の磁器粘土の中にミキサーを入れなめらかになるまでかき混ぜます。


かき混ぜた後、少し落ち着かせてからバンドで巻いた石膏の型の中に慎重に磁器粘土を流し込みます。


流し込んでしばらくすると磁器粘土の水分が石膏の型に吸収されて粘土が固くなり始めます。
完全に固まってしまわない内に粘土を元の容器に戻します。


石膏の型に数ミリの厚さの粘土が張り付いた状態で残ります。
型から外せる状態に乾くまで待ちます。


石膏の型から粘土を取り外します。


この状態の粘土をグリーンウェアといい、かなりもろく壊れやすいので慎重に扱います。
目を開けたり関節の穴あけなどをした後、筆や柔らかいスポンジなどでならし、できるだけなめらかな肌に しておきます。
陶芸窯に入れて700度程度で焼きます。


陶芸窯の温度が下がったらパーツを取り出して水につけスポンジで磨きます。
素焼きのような質感で水を吸うので肌が滑らかになるまで磨きます。
この後、完全に水気がなくなるまで乾燥させた後、爪や目、唇など細かい部分の造形が甘い場合はデザインカッターや紙やすりなどで調整します。
最後に余分なゴミを取り除き陶芸窯に入れ1220度程度で焼き上げます。


陶芸窯の温度が下がったらパーツを取り出します。
体のパーツが大きければ大きいほど高温により焼き歪みが起きる可能性があり失敗作もできてしまいます(泣)
綺麗に焼けたパーツを水につけスポンジで肌を磨きます。
質感は美しい磁器になり水は吸いません。


肌の絵付けをします。専用の粉絵具をオイルで溶いてベースとなる肌の色を体全体にスポンジで薄く塗ります。
陶芸窯に入れ700度程度で絵具を焼き付けます。


スポンジで体に陰影をつけたり筆でまつ毛や眉毛や唇や爪などの色付けをしながら納得いくまで何回か窯で絵具を焼き付け定着させます。


絵付けが終了したら、まつ毛と目をつけ関節の裏側に鹿などの皮を貼り付け最後に体の中にゴムを通して 組み立てます。
体ができたら雰囲気に合った衣装や靴を制作し髪の毛をつければ御人形の完成です。